A1)ふとんのなかに はいっているわたは どうやって のばしているのですか ?

「のばす」という意味が二通りありますが、まず、採れたわたに空気層を含ませるために解綿機にかけることによって絡みついた繊維をのばし、ふわふわのわたの状態にします。
この機械にかけましたわたは一枚約375グラムのシート状になってでてきます。
これを仕立て職人がふとんの大きさにあわせて一枚づつ重ねてゆきます。最後にふとんの中にこの重なったわたを入れるわけですが、ふとんの隅々までわたが行き届くように手でのばしてわたを入れます。
ただ、最近の既製品は機械入れがほとんどです。

A2)ふとんのなかのわたは なんで ふわふわなのですか?

ふとんわたは沢山の繊維が集まって(ふわふわの)形を作っています。
繊維一本一本は真っ直ぐではなく、それぞれが縮れて絡まっています。
この絡まった繊維の間にできるのが空気層です。空気層がわたの塊にフワフワ感をもたらしています。

A3)かけぶとんには うすいのも あついのもあるけど わたをいれてるの?

わたを入れているものもありますし、それ以外のものをいれているふとんもあります。
日本には四季がありますので季節によってふとんも厚さを換える必要があります。
真夏はさすがにここ(名古屋です)でも大変な暑さになります。
ふとんの中わたには一般的に
1.木綿わた(わたの木から採れるわた)
2.ポリエステルわた
3.ウール(羊の毛)
4.羽毛(胸毛が主)
5.羽根(風切羽根が主)
6.ミックスわた(1+2)
7.ミックスわた(1+3)があります。(他にも特殊な中わたもあります)
木綿のわたは水分を良く吸収しますので薄いふとんに使うとさっぱりして大変気持ちのいいものです。

A4)わたを のばして くっつける きかいって あるの ?

あります。とくに「打ち直し仕立て」(古くて硬くなったわたをふかふかに再生することです)で使う機械は硬くなったわたを一度ほぐして(解綿機)、ふわふわの状態で形成(打綿機)します。

A5)ふとんのわたは、どこで つくられているの ですか?

日本でも作っていますが(私のところでもほんの少し作っています)、外国からの輸入が多いと思います。私のところでは主にインド、メキシコからの木綿わたを使用しています。(天秦綿(中国)も有名です)

 

A6)なんでわたは くっつけて かためたりできるの?

わたは細長い繊維の集まりですが、一本一本の繊維がそれぞれ縮れていてそれが沢山絡まってわたのかたちを作っています。くっついたり、かためたりできるのは繊維が絡んでこそできるものです。

A7)とれたわたが ちょっとしかなくても ふとんはつくれるの?

つくれますが、限度によります。わたの量がすくなくても薄いふとんはできますが、あまり薄すぎるとふとんの中でわたが切れてしまいます。
(切れてしまうのを防ぐために表面に真綿{まわた=絹}を巻いてつくることもあります)

 

B1)ふとんは どうやって つくているのでしよう ?

機械で作っているところが多いとは思います。
私のところではふとん仕立て職人さんが一枚づつてづくりで作っています。 

B2)ふとんは とりのはねでも できるんですか?

できます。特に掛ふとんは最近は「羽毛ふとん」が多くなりました。
「羽毛ふとん」は水鳥の胸毛(ダウン)を主に使いますし、水鳥の風切羽根(フェザー、スモールフェザー)を多く使ったものは「羽根ふとん」と呼んでいます。

 

B3)どんなふとんも おんなじ つくりかたなんですか?

違います。木綿わたのふとんの場合(私のところは)一枚づつ職人さんがわたをふとんの生地のすみずみまで行き渡るように並べて、重ねて作りますが、羽毛ふとんの場合はふとんの生地の中に羽毛を吹き込んで作ります。(専用の機械で)

C1)ふとんは どこで つくっていますか?

私のお店(仕立て場があります)で作っています。既製品の中には中国で作って輸入されているものも沢山あります。

C2)なかが わたじゃない ふとんって ありますか?

あります。わた(木綿わた)じゃないものは沢山あります。
一般的な例ですがふとんのなかわたには
1.木綿わた
2.ポリエステルわた
3.ウール(羊の毛)
4.羽毛(胸毛が主)
5.羽根(風切羽根が主)
6.ミックスわた(1+2)
7.ミックスわた(1+3)が多く使われています。
また、特殊な例として中味に椰子の皮を使ったものやウレタンや麻を使ったものもあります。 

C3)ふとんには どんなしゅるいが あるんですか ?

うーん、いろいろありすぎて困りますが、最近は一般的に掛ふとんは、羽毛ふとん、ミックス綿ふとん、木綿わたふとん、ポリエステルわたふとん、敷ふとんは、木綿わたふとん、羊毛ふとん、ミックスわたふとんが多いようです。
中には電子治療機を兼ねたふとんや、遠赤外線を放出するような特殊なふとんもあります。
また、木綿わたのふとんに限ってもいろいろな種類があります。
1.原綿わたふとん・・・採取されたわたを種、ゴミ等を取り除いたわたを使います(木綿100%)例えば、インド綿(繊維が太く、硬い)、メキシコ綿(繊維が細長く、柔らかい)
2.落綿わたふとん・・・紡績過程でできる副産物的なわたを使ったふとん(木綿100%)
例えば、スカッチ、カード、コーマ、その他などがあります。 

C4)ふとんを なんで ほすんですか ?

木綿わたは繊維自体が水分(汗など)を吸収します。
夜寝ている間にふとんは汗などの水分を吸収します。(ポリエステル等、化学繊維は吸収しません)
夜の間に吸収した水分をお日様に干す事で発散させます。そして、次の日もふわふわのふとんでおやすみできるわけです。

C5)なぜ ふとんと いうんですか?

私のところと取引のある製綿会社さんより一冊の本をお借りすることができました。
『ふとん綿の歴史』吉村武夫著 昭和41年発行の本ですが、これによりますと、「ふとん」という言葉の由来につきまして

「我国における寝具の歴史について」という論文(石川妙子氏)が挙げられております。
そこには二つの説があります。

その1
蒲団は現在用いられている蒲団ではなく、蒲(水草)の葉を編んだ円座(座布団)のことで夜具として用いているものを「ふとん」と呼ぶのは間違っている。という説

その2
蒲団とは蒲の穂を詰めたため「ふとん」という。という説

 

C6)ふとんは なんで きもちいいんですか?

お母さんがよくふとんを干してくれるんでしょうね。日に干して湿気をとばしたふとんは太陽のにおい?がしてたいへん気持ちが良いものです。

 

C7)がいこくにも ふとんは ありますか?

ありますが、名前は違います。たとえば「ダウンキルト」は羽毛ふとんですし、木綿わたを使ったふとんもあるはずです。(すいません、どこの国が何を使っているというところまではわかりません)

 

C8)ほかのくにの ふとんのなかには わたがはいっているのですか?

木綿わたが入っているふとんもありますが、羽毛、羊毛の入ったふとんも多く見られます。

 

C9)ふとんは いつから つかわれていますか?

西暦799年三河(現在の愛知県蒲郡あたり)に漂着した外国人の手でわたの種がもたらされた。とあります。ただ、栽培が難しかったらしく一部の地域で細々と栽培されたのみで、寝具に使われることはなかったようです。この本によりますと綿の種に関しての記録は945年より600年間不明とされています。
江戸時代以前は寝るとき炉端でムシロを敷いて寝たり、着物や獣の毛皮を掛けたりして寝ていた。とあり、室町、豊臣、織田の時代に再来した綿の種が我国の綿業の発達の基礎となった。