●室町時代には、ふとんは座る道具であり、おもに僧侶が使用したもので、植物の茎、麻等のあらい繊維を編みあわせた袋状の中に植物の穂、わら等を入れて用いていたようです。その後は今のような四角いふとんではなく着物をかけていたようです。わたの入ったふとんは徳川中期にはじめて使われたようです。わたの歴史は、今から1100年ほど昔の桓武(かんむ)天皇の延暦18年、三河の国幡豆郡大字福地村字天竹(今の愛知県西尾市)の海岸に一隻の船が漂着し、1人の男性がわたの実を持ち込み、この土地に種をまき、その年の秋に真っ白なわた花が開花、当時の人々を驚かせたと大日本史にしるされています。ただふとんに使われるようになったのはそれから何百年後のことで、この間はわらなどわ集めて使っていたようです。